【詩吟朗詠錦城流宗家 2代目;山本錦城先生のお言葉より抜粋・要約(錦友 272号より)】
平成25年、錦城流は創流60年を迎えました。
創流の趣旨は「質実剛健にして、しかも優雅なる精神の高揚」でありました。
上記「一曲能興国」「一吟徹心霊」の言葉に初代流祖が私たちに託した願い、本会の目的が込められています。
1つ目は、詩吟は上手とか下手とか云うものではなく、日本国民精神高揚の気風の育成、士気を鼓舞するとして奨励されて来ました。自己研鑽のことです。
2つ目は、「吟詠を芸術に」即ち、舞台上で発表して聴く者に感動を与えられる芸術に技を高めていく修養を常に唱えておられました。
日本の古典芸能は、「音を楽しむ」と云うよりは、「言の葉を楽しむ」ものが半数以上です。詩吟においても言の葉を楽しむ「語り」の芸事と思います。
流祖の「吟詠を芸術に」に向かって技を磨き、舞台に立って聴く者に感動をもたらし、魅了してこそ、吟詠人口の増加も一層の吟詠の発展もあるものと心得て、会員一同の益々の精進を期待してやみません。